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「子どものなりたい職業ランキングに農業をのせたい」高松南部で農業を営む二川さん

二川 さん:高松市在住・2014年移住・30代

「子どものなりたい職業ランキングに農業をのせたい」高松南部で農業を営む二川さん

二川さんの畑にて撮影。ネギと共に。

農業をはじめるきっかけ

 香川県に移住する前は、佐賀県に住んでいました。移住ではありますが、実は生まれは香川県なんです。正確には、生まれた病院が香川県で中学校まで愛媛県で育ちました。高校の三年間はまた香川県で、大学は愛媛県松山市。佐賀県で就職をして、ハウスメーカーの営業をしていました。
その頃から30歳を契機に独立しようと思っていて、選ぶ基準として意識したのは衣食住に関わる仕事でした。そのうちファッションにはあまり興味がなかったので、農業をしようと思ったんです。大学での研究が農業経営に関することだったのも理由の一つです。また、農業は就業者の平均年齢が高いと言われていて、若くして参入したらチャンスだろうとも思っていました。いざ農業を始める前には香川県に相談に行きました。

 就農準備に関しては、情報収集や研修の重要性に関してアドバイスをいただきました。結果として、農業大学校に入学することにしました。

就農後から現在まで

 農業大学校の期間は一年間。基本的なことを一通り習い、農地機構を通して見つけた場所で農業を始めました。
農業大学校では30メートルくらいの一つの畝を区分けして自分のエリアで基本的なことを習いました。卒業後もおそらく大丈夫だろうと思っていたのですがいざ就農して借りた土地では、当然ではあるのですが実習よりも面積が広くて大変でした。

 農地を借りる際には農地機構に相談に行きました。でも、土地の貸主からすれば全く知らない他人ですので、希望通りとはいかなかったです。ようやく見つかった三谷町付近の場所で農業を始めた後は、普段の作業姿を見てくれている方もいて農地を広げる際にもスムーズに話が進むようになりました。現在は農地も拡大して、畑は80枚、面積は合わせて3haほどです。

育てた野菜の販売先をどうしようかと考えた結果、収穫した青ネギをうどん屋さんに持っていって営業していました。するとお店の方から「天ぷらでかぼちゃを使いたい」といった声を聞くことがあったんです。自分では栽培していなくても、その野菜を栽培している近隣農家さんとの間をつないでいました。あくまで仲介で実際の取引はお店の方と農家さんの個人間です。そうすると、数キロの野菜をお店まで30分かけて運んでいるとどうしても赤字になるんです。そこで、倉庫で集約してロットで扱うことをはじめました。

 それからは、畑での栽培以外に農産物の卸もやっています。扱っている野菜は40品目ほど。スイートコーン、ブロッコリー、みかん、いちごなど、香川県でよく育てられている野菜です。これらは近隣の農家さんから仕入れています。
 最近では県内スーパー、飲食店のほか、関西圏の方とも取引しています。人のつながりが増えるにつれて、できることが増えました。自然が相手なので生産量の上下はありますが、契約量を下回らないように心がけています。

移住してよかったこと

移住前に比べて、時間が増えました。以前の職場では深夜を過ぎて帰宅、早朝に出社といった生活だったので、以前よりもかなり家族との時間が増えたことは大きいです。農業ということもあり他の職種に比べると休みの日は少ないかもしれませんが、家族との時間が増えたことは本当に大きいと感じます。
収入面は落ちましたが、その人にとって何を重視するかだと思います。
 デメリットとしては妻の実家が遠くなってしまったことです。鹿児島県にあるので行くときは車で2泊3日。仕事柄休みもとりにくいので、なかなか会いにいけないんです。
休日はゆっくりしたり、家族と出かけています。香川県からは関西圏にも出かけやすいですね。バーベキューをすることもあります。自分の作った野菜でバーベキューをできるのは喜びのひとつです。

今後に関して

 県内の農家で、関係性を広げていきたいです。近年は異常気象も多いですが、それが当たり前になってくると思うので、安定的に作るための対策を講じたり協力していきたいですね。また、時代が変化する中で子どもたちのなりたい職業ランキングが話題になることもありますが、将来的にはそこに農業をのせたいと思っています。





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