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機械化できないものづくりに魅力を感じ、みかん作りの道に進んだ鈴木さん

鈴木 悠さん:観音寺市在住・2017年移住・30代

機械化できないものづくりに魅力を感じ、みかん作りの道に進んだ鈴木さん

移住前の生活・移住のきっかけ

建設業界で現場監督を務め、やりがいを感じる一方、日々の仕事に忙殺されて、ジレンマを感じていました。自分自身、現状に違和感を抱いていて、状況を変えたい思いで2017年夏、都内で行われた「農業人フェア」に足を運んだのです。そのときはなんとなく『もの作りがしたい』という漠然とした思いでした。
農業人フェアでは数少ない果樹のブース。偶然座ったその場所で、熱い男性に出会ったんです。

運命の出会い

迎えてくれたのは、フジカワ果樹園の出口ゼネラルマネージャーでした。語り口調が熱く、何よりも、自身の仕事に誇りをもつ熱い男性でした。彼が「楽しいよ。きついけどね。」という仕事場を訪れてみたい、体感してみたいと直感しました。それからはあっという間でした。農業人フェアからひと月も経たない8月、暑い最中に初めてフジカワ果樹園を訪れました。すぐに作業に従事することになり、先輩方の指導の下、マルチシート(畑の表面を覆う資材)を張りました。炎天下のなか、3日間の作業に従事し、体力的にいけるだろうと確信したんです。そこからは迷いはなかったです。

なぜ果樹なのか

野菜、花、果樹、伝統工芸品、さまざまな『ものづくり』がある中で、果樹って面白いと思ったんです。理由は、果樹って今年収穫しても、来年にはまた同じ木に実がなりますよね。今育てている果樹も先人からあずかっているものですし、手をかけながら少しずつ変化しながら、将来につないでいく。機械化できず、育てている人の経験や勘がものを言う。やりがいに溢れてるなって。木を剪定するのも先を想像して行います。数ヵ月後、こんな風に果実が実っているかなとか。以前の仕事は現場監督で、完成を頭に入れて動いていたので、そういった経験も生かせてるって思えるんです。過去の自分があって今の自分があるみたいな。

これからやってみたいこと

フジカワ果樹園のみかんは美味しいんですよ。甘いだけじゃない、酸味とのバランスがいいんです。寒暖差がないと赤くならないんですけど、ここは条件もいいので、見た目にも色が濃く美味しいみかんができるんです。社長の教えの通り毎日の日記もつけています。気温や天気や風、いろんなものがみかんの味を作るので。まだまだ悩むことや、どうすればいいのかわからないこともたくさんありますが、社長に聞くとすぐに答えをくれるんです。社長との距離が近くてスピード感をもって仕事ができるのがいいですね。これからは、いままでフジカワ果樹園になかったブラッドオレンジなんかも作ってみたいし、やりたいこといっぱいですよ。一朝一夕にはいかない日々の積み重ねでできあがるもの、最高じゃないですか!

移住されて約1年半年、いつしか熱い思いの出口ゼネラルマネージャーと同じ、熱い眼差し、口調になっている鈴木さんでした。