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いつかこんな場所に落ち着けたらいいな
加賀 恵里子さん:土庄町在住・2019年移住・40代
いつかこんな場所に落ち着けたらいいな
島との出会い
10年以上前、名古屋で暮らしていた頃に友人と「行きたい場所リスト」を作ったんです。大きな仕事が一段落ついたらご褒美旅行に行こうよ!と。候補の中には、香川県の豊島と直島が入っていましたが、その時は違う場所に旅行に行って、メモの存在も忘れてしまっていました。それから数年が経ち、ある時、部屋の片づけをしていたらその当時のメモが出てきたんです。そのメモを見て、ふらっと豊島に遊びに来ました。美しい自然の中で「いつかこんな場所に落ち着けたらいいな」と感じている自分がいました。
移住への道のり
それからは移住フェアがあるというのを見つけて足を運んでみたり、小豆島のNPO法人Totie(トティエ)さんが主催する「空き家探しツアー」に参加したり、現地にも何度か足を運びました。「すぐに豊島に移住するより、生活インフラの整った小豆島に移住するのがいいのでは?」というアドバイスもいただき、まずは小豆島に居を構えたんです。ですが、偶然にも見つけた仕事は豊島での仕事でした。やっぱりご縁があったんでしょうか。当時は小豆島から豊島にフェリーで通っていましたが、段々と人のつながりができると、「うちで働いたらいいよ」とか「空き家あるよ」と声をかけていただくことが増え、ご縁のままに豊島に住むことにしました。
家族の反応
子どもの頃からやりたいことは割とやらせてもらいました。これまでの仕事も大工さんだったり、歌のお姉さんのようなステージに立つ仕事をさせてもらったり、カメラスタジオのアシスタント、栄養士といろんな仕事をしてきたんです。自由にさせてくれた両親には感謝しています。今回の移住も「いい場所に別荘ができたよ~」と母は言っていて(笑)。家族がそんな風に気軽に遊びに来てくれるのはうれしいですね。島ですが、岡山にも近いので、新幹線で岡山まで来て、そこから港に移動してフェリーで来られますし、家族もそこまで不便な場所と感じていないようです。
島での日々
いろんな所から声を掛けていただいて、ダブルワークならぬトリプルワークをしています(笑)。そういうとすごく忙しい人のようですけど、どの仕事も楽しくて、それぞれがリフレッシュにもなっています。休みの日には縁側にハンモックを出して海を眺めながら過ごすこともあれば、島外に買出しに出かけることもあります。雨の日には本を読んだり、ウクレレをひいたりしています。と言いつつも、基本は仕事ばかりなので、今後は積極的に友達もつくっていきたいです。私が住むエリアには、島内でも移住してこられた方が結構多いですし、同世代の仲間が増えるとうれしいです。
豊島のおばあちゃんになりたい
今は地域のおばあちゃんにうどんの作り方を教えてもらったり、島のお母さん(勤務先の社長のお母さん)がお惣菜やお弁当を持たせてくれたり、野菜や卵を玄関先に届けてくれるご近所さんがいたりなど、料理上手な皆さんにお世話になりっぱなしです。島のおばあちゃんはかわいい方が多くて。私も数十年後、豊島のかわいいおばあちゃんのように「巧みに豊島弁を使いながら地域の人としゃべっていたいなぁ」と思います。都会では白か黒かはっきりさせるみたいなところがあったんですが、島に来てから「グレーでもいいんだ」と思えるようになりました。肩肘張らず、ゆるく生きていきたいなと思います。