北前船のにぎわい受け継ぐ港町

　多度津町は、香川県の讃岐平野の中部に位置し、北は風光明媚な瀬戸内海国立公園に接している小さな港町。面積は約２４平方キロ、人口は約2万1千人。
　江戸時代から丸亀港とともに金毘羅参詣の上陸港の役割を担い、北海道や東北の産物を運ぶ「北前船」の寄港地としても大いに賑わいました。令和元年5月には「荒波を超えた男たちの夢が紡いだ異空間～北前船寄港地・船主集落～」の日本遺産に追加認定されています。
　明治には、ＪＲ四国のルーツになった路線として四国で初めての鉄道が丸亀－多度津－琴平間で開通し、その後も広島県福山市との間でフェリーが行き交うなど、四国の交通の重要拠点として発展してきましたが、時代の変化にあわせるかたちで、昭和に臨海部を大規模に埋め立て、そこに約５０社の企業を誘致して以降は、工業都市へと変貌しています。

　香川県屈指のお花見スポット「桃陵公園」。展望台からは讃岐平野を展望でき、海側に目を向けると、高見島など瀬戸内海国立公園の眺望を楽しむことができます。また公園の隣には、多度津町発祥の少林寺拳法の本山、金剛禅総本山少林寺があり、秋に行われる達磨祭などのイベントで一般公開されています。ＪＲ多度津駅前には「四国鉄道発祥のまち」をアピールする記念碑と、少し離れて８６２０型蒸気機関車（ハチロク）が展示されているほか、四国唯一の車両工場であるＪＲ多度津工場にはＣ５８蒸気機関車やロ４８１号客車などが保存されており、「鉄道のまち」としての歴史を感じることができます。また本通り・東浜・西浜エリアの、伝統的な古い町並みなども人気です。
　恒例のイベントとしては、たどつさくらまつり・たどつ全国凧あげ大会（４月）、たどつ港まつり花火大会（８月）、たどつ桜んたんページェント（12月）などがあります。

　他の自治体と同様、多度津町も人口減が続いており、とりわけ中心部の児童減が深刻です。町は子育て支援策として、「医療費助成制度」を設けて、高校卒業までの医療費（保険診療部分）を助成をしています。また保育料の保護者負担軽減、放課後児童クラブの充実などにも力を入れています。